一般社団法人日本リサーチ総合研究所

ごあいさつ

令和元年6月
一般社団法人 日本リサーチ総合研究所
理事長 藤岡 文七

 令和という新たな時代に入りました。
 当研究所は、昭和52年の設立以来40年余、経済分野を中心に多様な調査研究を実施し、成果を挙げてまいりましたが、本年度は大きな組織変革に向けて、節目の年となります。

 時代の節目にあって省みますと、世界はいま、イノベーション、グローバル化、少子高齢化など未曾有の構造変化の過程にあります。
 急速に進展するAI、IoTをはじめとするデジタル分野やバイオ関連等のイノベーションは、人類の可能性、フロンティアの拡大という大きな期待を生むと同時に、雇用や格差などへの懸念も伴いながら、すでに我々の日常生活や働き方、さらには安全保障を含む経済社会システム全般に大きな変化をもたらしつつあります。
 国際関係面では、東西冷戦の終結後、世界をリードし拡張を続けてきた市場経済化・グローバル化は、所得格差や地域格差の拡大などを背景に、多くの国で国民の反発を受け、保護貿易主義、自国第一主義が強まっています。これまでグローバル化をリードしてきた「ワシントン・コンセンサス」は揺らぎをみせており、各国が共有し得る新たなコンセンサスの構築が求められています。
 さらに、人口動態の面でも、日本はじめ多くの国で、これまで経験したことのない規模、スピードで少子化、高齢化が進み、働き方や財政、社会保障制度などに変化を迫っています。
こうした構造変化の中、私たちの常識や価値観の面でも、ほんの数十年前までは常識であった「人生50年」が今や「人生100年」といわれ、かつては想像できなかった機械(AI)が人間の思考能力を超える日「シンギュラリティ」が近づきつつあると認識されるなど大きな変化がみられます。
 まさに「パラダイム・シフト」と呼ぶべき状況の下、所得などの経済的要素はもとより、誇りやゆとりや楽しさなどのこころの要素、社会や次世代への貢献、地球環境問題を含めた持続可能性の向上、人材や地域の個性・多様性の涵養など「多様な価値」を包含する「幸福(well being)」を実現していくため、従来の延長線上にはない取り組みが求められています。

 こうした「時代の要請」に的確に応えていくために、本年5月17日に開催されました当研究所の総会、理事会におきまして、来年度より当研究所を、経済社会システム全般に関わる調査研究、政策提言等を行う新たな研究機関に改組することが決定されました。
 これを受け、5月31日には、各界の有識者で構成される「新研究所設立準備委員会」が開催されたところです。新たな研究機関は、産官学の多様なリーダーの参加を得て、会員等が定例会合などを通じて議論を深め、活発な政策提言を行うと同時に、関係機関とも連携しつつ提言の実現に向けた多様な取組みを行う方針です。

PDF「新研究所設立準備委員会」パンフレット

 今年度は新研究所にバトンをつなぐ極めて重要な年です。当研究所がこれまで培ってきた調査分析力のさらなる向上に努めるとともに、新研究所が取組むことを予定する研究の準備、先行的調査、体制の整備等に取組んで参ります。
 新研究所を時代の要請に真に応えるものとし、当研究所の現会員の皆様はもとより、新たに会員となっていただく皆様にも十分評価していただけるものとすべく、役職員一同、最大限努力してまいりますので、ご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申しあげます。