消費者心理調査 124
(1999年6月 実施)
1999年7月12日 14:00 発表
一進一退が続く消費者心理
−4月からやや改善−
消費者による今後1年間の見通し判断を調査したCSI(6月調査)によれば、
- 6月の消費者心理は、依然として厳しい水準が続く中、やや改善した。
- 消費者の景気、失業、収入、物価に対する見通しの変化を反映した、消費者心理の総合指標ともいうべき生活不安度指数は、6月は135となり、4月(138)から3ポイント低下(改善)し、2月(135)と同水準になった。
- 消費者の各種見通しをみると、昨年末から続いていた国内景気見通しの改善の動きが、6月は止まった。また、失業見通しは極めて悪い水準が続く中、6月は4月からやや悪化し、昨年8月以降、一進一退が続いている。一方、消費者の今後の暮らし向きに最も大きな影響力を持つと考えられる収入見通しは、さらなる悪化に歯止めがかかり改善の兆しもみえ始めた。このように、消費者の各種見通しは依然として明暗入り交じっている中で、生活不安度指数は、6月は135と、4月(138)からやや低下(改善)した。
- 99年第一四半期の実質GDP成長率が、大方の予想を大きく上回り、前期比年率で7.9%増と6・四半期ぶりにプラスの伸びに転じたことが6月10日に発表されたが、その日は今回の調査期間の最終日に当たるため、6月調査にはほとんど織り込まれていない。
- 確かに今年に入り、企業倒産件数の減少、株価の上昇基調、公共投資や住宅投資の増加等、景況感に明るい材料が目に付く。しかし、これらは金融・財政両面の政策による下支え効果が大きく、民間需要の自律的回復には至っていない。特に、企業の構造調整の進展により、消費者心理に最も直接的な影響を及ぼすともいえる雇用と所得の減少は続いている。このように、消費者心理をめぐる情勢は依然として非常に厳しく、今後も予断を許さない。
- 当面は、一進一退の続く消費者心理が、引き続き8月も改善へ向かうか注目される。しかし、生活不安度指数は依然として130を超える極めて悪い水準にあり、今後の改善に向けては、消費者の失業と収入の見通しが改善へ向かう状況をつくり出すことが必要であろう。
- ちなみに6月の特別質問によれば、今夏のボーナスの使いみち(勤労者世帯)としては、「普段の生活費のあなうめや足しにする」と答えた人が、昨年同様、最も多かった。一方、消費関連では、旅行や娯楽・スポーツ・レジャーの費用が昨年同様、上位に上がっており、衣料品、自動車等の購入にあてると答えた人の割合も昨夏より増加した。